7月10・11・12日 憧れの北岳と間ノ岳にチャレンジしてきた。
間ノ岳のリベンジやキタダケソウも見たいなどいくつかの思いがあってかねてから計画していたところ、この日が
梅雨の晴れ間との予報に変わったので取りも直さず飛び出した。
<山歩きの思いで>
今回のルートは、10日に広河原登山口から大樺沢二股を経由して右股コースを登って肩の小屋へ。
翌11日は、北岳山頂を極め北岳山荘を経由して中白根山~間ノ岳に登る。引き返して北岳山荘に宿泊。
最後の12日は、トラバース道を八本歯のコルに向かい、大樺沢(左股コース)を下山する。
広河原から北岳を望む。
さすがに日本第二の高峰だけあって
その威容は圧巻である。
自ずとチャレンジするぞ!!・・・と
心構え整え気を引き締め殊勝な気持ちになった。
今日一日目は昨日までと打って変わって快晴も快晴・・・風もなく少々暑かったが、梅雨の晴れ間とは
このことを言うのでしょう。本当にラッキーと思った。ほかの登山者も異口同音でした。
さて今日11日は北岳山頂を極め、つづいて日本第三の高峰:間ノ岳を目指します。間ノ岳はずいぶん
前(2005年)のことですが目前で諦めた苦い経験がある。そのリベンジも今回の山行の思い入れの一つです。
今日も快晴! しかし若干だが風もあって汗もあまり掻かず過ごしよい。
熱いコーヒーを飲みながらのんびりと360度のパノラマを満喫する。本当に満足感でいっぱいでした。
間ノ岳に向かう途中、今夜の宿:北岳山荘に立ち寄り早めのチェックインをしてバックパックを軽くし、
用足しもして中白根山(前回ここで挫折)経由の間ノ岳へと出発。
昨日より高低差は少ないので楽な気持ちでいたが疲れました。アップダウンがかなりあって体力も
消耗したと思うが、一日で百名山を二座も制覇したこと、いや宿題をやり終えた後の気のゆるみも
出たのでしょう。ともかく心身ともに疲れ果てた感じです。
今日も小生唯一のサプリメント(ビールです)で元気回復を図り早めに寝ることにしました。
今日三日目は、北岳山荘から厳しいトラバース道を通って八本歯のコルに向かう。ここからの下山が
北岳の最大の難所ですが、トラバース道は花の名所でもあってこの楽しみを外すわけにはいかない。
(ツアーの人たちや何人もの登山者は往路を辿って下山したようです)
この辺から下山ペースがすっかり落ちてしまい予定をオーバーして広河原に到着。
乗り合いタクシーも出たばかりのようで、下山者で定員になるまで待って2時過ぎに芦安へ。
タクシー運転手おすすめの日帰り温泉で身も心もすっきりさせて帰路に就いた。
まずはお天気に恵まれこの上もない楽しい山歩きが出来ました。また、山歩きの途中知り合った人・
お世話になった人達も忘れられません。 感謝の一言です。
<花の百名山北岳のお花たち>
今年は春が早かったので今回も諦めていたのですが、やっぱりこの山ではキタダケソウを見たい。
調べてみると7月1日に登った人は肩の小屋で見られた。ほかでも若干残っていたとの情報でした。
それからもう一つミヤマハナシノブです。この花は、北岳と白馬岳だけに自生するという貴重な花です。
前回最後の残りを見たがもう一度思う存分見たいのです。
ハクサンイチゲと混成して咲いています。あまりにもよく似ていて初めての小生では区別ができません。
左は教えてもらった肩の小屋で咲いているもの。次に北岳山頂から間ノ岳に向かう途中運よく自然観察員に出会い
まだ一株ぐらい残っていそうだと教えてもらったが、探しても見つけられませんでした。
右は、トラバース道を歩いている時出会った登山者が親切にも花の終わった後の実や葉っぱならと少し戻って案内
してもらった。いつもなら広河原までの林道が開通するまでに登ってこないと満足には見られませんとのことでした。
タカネグンナイフウロもこの山を代表する花だと思う。濃い紫花が特徴ですが白花も見つけた。
ほかにもたくさんきれいな花に出会ったが、なかなか福井近辺では見られない花に絞ってスライドショウで
紹介します。撮り忘れた花もたくさんありますね。
チョウノスケソウ、ムラサキタカネアオヤギソウ、チシマアマナ、ミネウスユキソウ、キンロバイ、
ミヤママンネングサ、ミヤマシオガマ、タカネヤハズハハコ、ミヤマムラサキ、イワウメなどなど。
北岳のお花について
北岳はと言わず南アルプスではシカの食害に悩まされているようですね。パンフレットなどで紹介されているお花畑:
右股コースやトラバース道では網で保護してある場所が目立ちます。当然花はパンフレットに比べると寂しいですね。
それから福井や白山などで見かけない花がたくさんあってうれしいのですが、3000mも超す高山では花の種類が限られ
のでしょうか単調な感じがしました。ハクサンイチゲ、シオガマの類、オダマキ、キンポウゲ類、ダイコンソウなどが
圧倒的に首座を占めています。
<ライチョウの保護、出会った人たち>
NHKの番組 ″ダーウィンが来た″ だったと思うが、北岳でのライチョウの保護活動の放映があった。
その活動の主催者である信州大学の田中先生の活動中に偶然遭遇した。
そしてついこの前、元白山のライチョウの研究で知られている上馬先生の ″白山のライチョウはどこから″ という
公演を聞いたばかりなので、ライチョウに興味を持ち始めたばかり自分です。
それでそんな話を持ち出していろいろ教わった。先生はライチョウの砂浴び場を作る手も休めずに対応していただき
うれしかったです。乗鞍岳での人工ふ化もうまく行っているそうです。
(お花畑も高山の動物の保護も、基本は温暖化対策も含め高山の環境保護が先だと思うがなかなか難しいようです)
キタダケソウの記事で紹介した自然監査委員と偶然出会った登山者の親切は本当にうれしかった。
そのとき、ちょうど今はキタダケキンポウゲの咲く時期だから探してごらんと示唆された。
そのあと間ノ岳に向かう途中で我々と前後して歩く女性が時々立ち止まり何かを観察している。
その女性に間ノ岳で我々の記念写真を撮ってもらった折、観察とのことを尋ねるとキタダケキンポウゲを
探しているという。まだ見つからない様子です。小生はとうとうキタダケキンポウゲとは縁がなかった。
3日間我々と前後して同じコースを歩いた岩手県から来た69歳の男性。歩くスピードはそれほどでもないが、
1時間に一度しか休まない。何度も出会ったが我々の何時間か先を歩いていました。
今回は20日ぐらい車に寝泊まりしながら好きな山巡りをするという。すごい馬力に圧倒されました。
肩の小屋で出会った若い男性/Iさん・・・記念の写真を撮ってもらった。
越前市の出身で次の日からは白根御池小屋でアルバイトをするという。奇遇です。
文殊山でも先輩方の頑張りを毎日見ているし、先ほどの岩手の男性の話にも刺激されました。
体力に自信を無くしかけている近年、なにかと先送りし勝ちですが、まだ体調の確かな今のうちに
思い入れの山へは出かけたいものです。来年のことを言うと鬼が笑いますものね。